N.C.24年 3/20日 20:55
日本国 青森県上空 戦略要塞艦『リュウゾウ・オネシロ』 中央船体右通路
すっかり忘れてたけど、自分の荷物を部屋に運んでなかったよ…。ずっと格納庫に置きっぱなしだった。モーちゃん(那刳整備長)にいい加減怒られ て、今こうして重い腰を上げて運んでるわけだけど。というわけで、遅ればせながら乗艦時にもらった地図を見ながら自分の部屋探し。 えーと、特1号室、特1号室はっと…あ、あった。地図を見ると、同室の部分が空欄になってるんだけど、一人部屋なのかな?でも、設計上ここは二人部屋で作られてる筈・・・広い部屋を独り占め? ヤッター! 部屋を開けると、正面にロッカーと多機能ベッドが左右1つずつ。片方には大きなボストンバッグが一つ、無造作に置かれている。ああ、先に部屋に来た人がいるんだ。・・・広いお部屋を独り占めするささやかな夢が、音もなく無情にも崩れ去った瞬間である。 まあ仕方ない。私は反対側のベッドを使わせてもらおう。 「寺崎特佐。」 うわ、びっくりした!振り返ると、いつの間にやら背後に音もなく尾根白中佐がその大きな体で仁王立ちしていた。 「荷運びをするなら何故、吾を呼ばんのか。力仕事なら吾の方が得手だと一目見ればわかるだろう。」 良く響く低音で静かに不満を口にする尾根白中佐。なんか怒ってらっしゃる?え、なんで?私、なにか悪いことした? 「ともあれ、今日から吾と同室だ。万全に護衛させてもらうぞ。」 同室?聞いてないよ?いや、こんな素敵過ぎるイケ☆ガウと同室なんて光栄の極みだけど。あ、じゃあそっちのベッドに置いてあるボストンバッグは尾根白中佐の荷物だったんだ…。 突然すぎる展開に混乱してその場に固まっていると、尾根白中佐はヒョイッと私から荷物を取り上げ空いてる方のベッドに移動してくれる。 気の利くイケ☆ガウだなぁ…っていやいや、そうじゃないだろ自分! 「あ、そうなんですか?よろしくお願い致します。」 …頭が展開に追いつかなくて、なんかもうこんなこと言うのが精一杯。 でもでもっ、はうぅ…イケ☆ガウで紳士はもう、私の好みの男性像どストライクですよ? 「うむ。こちらこそ、よろしく頼む。」 そう言ってこちらを向いた尾根白中佐の顔が、フッと微笑った気がした。それについて言及しようと口を開いた矢先、艦内に警報が鳴り響く。 『CDCより全艦、敵機接近。敵機接近。艦載F2部隊は直ちに上甲板へ出撃せよ。』 「ああ、やっぱり来ちゃう?」 まぁ、そりゃあんな基地攻撃程度で終了なわけないよね〜。完全に読み通りな展開に、私は落胆とも安堵ともつかない感想を漏らす。 やれやれ…こうなる事を予測して、機体の装備変更をお願いしといて正解だったねぇ。 「想定通りという事か。寺崎特佐、緊急事態だ。すまんが身体を借りるぞ。」 そんな私に感心?しつつ、言うが早いか私の身体を肩に担ぎ上げた尾根白中佐は、その健脚を活かして格納庫へと猛烈な速さで走り出した。 …あの、この状況でとっても不謹慎なんだけど、言わせてください。 も、モッフモフ&ガチムチー!(至福) |
N.C.24年 3/20日 21:06
日本国 青森県上空 戦略要塞艦『リュウゾウ・オネシロ』 CDC
慌ただしく戦闘準備を整えていく艦内。その中枢たるCDCは、俺にとっての『戦場』であり『鉄火場』だ。 「状況は。」 CDC各部署のリーダー達に問いかけると、一斉に返事が押し寄せる。皆、仕事に集中していて頼もしい限りだ。 「『機動装甲特殊戦闘群』、出撃準備中です。順次上甲板へ。」
![]() 「TF-1X、空域制圧装備への換装作業完了、準備宜し!」 ![]() 「TF-1FLS、右舷飛行甲板からテイクオフリクエスト。参謀長?」 ![]() 「許可する。直ちに発艦し、対空戦闘に参加してもらえ」 「アイ・サー!TF-1FLS、発艦、どうぞ!」 ![]() 「TF-2CGS、起動作業完了。エレベーターへ移動させます。」 「うるさい愚息が喚き出す前に、左舷甲板に放り出してやってくれ。」 大分喧しい我が家-大島家-の次男だが、場数は踏んでいるし機体もしっかりしたのを調達してやったからまぁ、ちゃんと働いてくれるだろう。 格納庫では、慌ただしく出撃準備が進められている。尤も、今は精一杯かき集めてもようやく9機(それも1機は保管機)しか積んでいないわけだが。そもそ も、この要塞艦の主な艦載機は、統合軍陸戦部隊から選りすぐりをかき集めて編成したばかりの専属部隊だった為、先月から日防軍と急遽の合同演習を行い慣熟 訓練を行っていた。・・・結果、演習場のある北海道侵攻によって、彼等は一変して紛争の最前線となった地で、死に物狂いの戦いを繰り広げている有様だ。 まぁ、十中八九、狙われたんだろうな、このタイミングを。 つまり、青森県三沢基地で待機しているRPO常設軍で編成された増援部隊との合流を果たすまで本艦は、8機のF2部隊と限定的な自衛火器-2基の 76mm単装速射砲と8基の40mm機関砲-だけで対空戦闘をこなさなければならない。本来ならば対空ミサイルも搭載されている筈なのだが、これは当初の 予定から三沢基地で受け取ることになっていたので、現状では未搭載だ。他に、対空戦闘で期待できそうな戦力と言えば…。 「大島参謀長殿、三沢基地の航空部隊が、SLBMらしき物体の空中分解地点に到着。やはり、潜水艦射出式のF2用緊急展開ポッドだったようです。」 覇馬少佐が、手元の端末を操作してSFIC室内で解析・統合される情報をリアルタイムに伝えてくれる。 「やはりか。」 意外性のない、予想通りの内容だった。全く、敵も芸のない連中だ。まぁ、いっそありがたい話なのだが。 「それから、件の三沢基地飛行隊が全力でこちらの救援に向かってくれるそうです。」 「ほう?」 それはまぁ、嬉しいと言えなくもない話だな。最悪でも、時間さえ稼げば優秀な飛行型F2の群れが救援に来てくれるわけだ。尤も、そんな救援がやってくる前に決着は付いていそうだが。 「続いて、右舷上甲板にTF-1X『イクス』、空域制圧装備で出ます!発艦準備完了!参謀長?」 ![]() ああ、そうだ。試験目的で彼が持ち込んでいたあの装備があったじゃないか。思わず、口角が釣り上がる。 「TF-1X、直ちに発艦!制空戦闘に参加せよ!彼の装備するミサイルが、我々の切り札だ。」 「アイ・サー!TF-1X、発艦どうぞ!」 |
N.C.24年 3/20日 21:10
日本国 青森県上空 TF-1X『イクス』
「発艦許可確認。TF-1X『イクス』寺崎 リイチ、出ます!」 宣言して、飛行甲板を一気に駆け抜ける。背中の専用バックパックのみならず、両肩に増設したブースター含め、電気ジェット式エンジンを一斉に全力で噴かす。 順調に空へと駆け上っていく私の機体は、飛行が安定した所を見計らって急旋回をかける。向かってくる敵にベクトルを合わせるのだ。既にリキが先行している が、呼び戻す。別に、私達2人で殲滅しても構わないのだが、一応、リュウゾウ・オネシロとその艦載機にもこういった状況における戦闘経験を積んでもらいた い。これも今後、珍しい状況ではなくなるだろうから。 ![]() 「イチ兄〜、艦に相手近付けない方がよくねー?」 リキが不満気に戻ってきて、私の左に着いた。 「うるさいぞ高校0年生のガキめ。あんたは黙ってお兄様の言う事聞いてれば良いの。」 ピシャリと諌めてやる。 「うへ〜い。」 軍人や軍属ですらないことを指摘されると流石に弱いのか、大人しくなった。うんうん、良いことだ。 「この程度のヌルい攻撃を何度か経験しておかないと、イザって時にもっと酷いことになるの。そして、ヌルい攻撃ってのは仕掛けて"貰える"機会が極端に限られる。受けられる内に受けときましょって話。」 かいつまんでリキに要点だけ説明する。無線の向こうでは、[ふむふむ]とか[ふ〜ん]とか気の抜けた返事だか相槌だかわからない応答が続いていた。 「なるほど〜。じゃあ俺等は観戦?あそうかぁ、イチ兄はお姫様だもんなぁ。」 一気に不満足と不機嫌の塊みたいになったリキの声。オイオイ、それじゃあ私達が出てきた意味がない。 「ハァッ!? 姫って何だよ冗談じゃない。どっちが多くぶち殺せるか勝負だコラァッ。」 それに何より、誰が姫じゃ、誰が。邪神たるこの私に向かってとんでもない物言いだ。徹底的にわからせてやる。 「そうこなくっちゃ!流石オレのイチ兄!」 なんか、うまく乗せられたような気もしないでもないけど、まぁ要は、やりすぎなきゃ良いのよ、やりすぎなきゃね。 「さあて、敵の団体さんが来なすった!ブレイク(散開)!」 「アイコピー!」 素早く編隊飛行を解いて、私とリキは交戦状態に入った。さあ、行くよとっておき! 「ガイドレールセット、マインドトレーサー・コントロール同調…。行け、ガンビット!」 ![]() リアアーマーに装備されていた二機の無人自律戦闘端末(UCAV)『ガンビット』が、鎖から解放されガイドレールをスルリと滑り抜けて飛び立 つ。間を置いて、不要となったガイドレール自体も投棄してしまう。予備は沢山あるし、空戦するのにデッドウェイトなんて抱えてらんないからね。 ガンビットは本来、敵の撹乱や弾着観測に使用する程度の性能しかない。が、この状況で贅沢は言っていられない。なんとかうまく使いこなしてみせましょうとも! 「さぁ、伸るか反るか、兎も角行くよ…!ガンビット、攻撃を開始する!」 ![]() ![]() ![]() ![]() 「『メガセリオン』より『ファフニール』へ!交戦を開始します!」
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N.C.24年 3/20日 21:16
日本国 青森県上空 戦略要塞艦『リュウゾウ・オネシロ』 上甲板
[CDCより各機、『メガセリオン』がエンゲージ!繰り返す、『メガセリオン』がエンゲージ!] 無線越しに通信兵が興奮した声で叫んでいるのを聞いて、吾も震えた。-彼はもう、戦っている・・・!- 左右の操縦補助桿を握る手に、思わず力が入る。 「戦闘が始まったぞ!全機、『オーラム』を軸にスクリメージ!」 「「「「押忍!」」」」 ![]() 『オーラム』とは、天金少尉のコールサインだ。戦闘行動中はお互いをコールサインで呼ぶのがどこの軍隊でもほぼ共通の習わしである。 今回は、敵の電子敵攻撃(レーダーや通信など電波系への妨害が殆どだ。)が激しい。対抗し得るのは、高性能なレーダーや電子戦用フェアリングアンテナを持 つ天金機(MB12)のような電子戦専用機や、リュウゾウ・オネシロ等の戦闘艦艇に限られる。故に、母艦の重要性もさることながら、今回は天金の機体も特 に重要になってくるのだ。 ![]() 「『オーラム』より各機、敵のECMを確認。『ファフニール』と連携してECCMを展開。同時に当機は、レーダー及び通信帯域をスクランブル開始。LINK-Eにてネットワーク構築を行なうので、全機参加せよ。」 天金が、いつもの調子で電子戦を仕切りだした。直ぐ様、LINK-Eを接続する。構築されたネットワークは様々な情報を全て自動でやり取りし、電子的結節点である天金のMB12で解析・評価・整理され、適宜全体に共有される。 その中に、リイチや彼の弟であるリキ君の情報も入り始め、次いで敵の位置が地図上に表示された。 [『ブラストル』より『ギガント』、俺達はどうします?スクラムは組みましたが、飛べやしませんぜ。] 『ブラストル』のコールサインを持つ葉杉が、"待て"を言い渡されたやや躾の甘い犬のように不満気な声を上げた。 「『ギガント』より『ブラストル』、待機だ。すぐに彼らが敵を引っ張ってきてくれる。勝機を見逃さず、空とセンサーに目を光らせていろ。以上だ。」 そう。飛べない我らはこの艦の近接防御を支援する程度しか仕事が無い。故に、その限定された仕事能力で最大限の仕事量を実現せねばならないのだ。 [了解。『ブラストル』オーバー。] ・・・本当に分かっているのだろうか?まぁ、ここは歴戦の部下を信じるとしよう。 |
N.C.24年 3/20日 21:19
日本国 青森県上空 TF-1X『イクス』
さて、これで先ずは一機撃墜・・・っと。 エンジンパワーと斥力場を使った八艘飛びによるトリッキーな動きで相手の後ろにつけると、左手のミサイルパレットを相手に向けて光学センサーでロックオン させ、トリガーを引く。破裂音と共にスルリと筒を飛び出したミサイルは、そのまま敵機のエンジン部へと吸い込まれるように突進し、火球の花を咲かせた。哀 れな敵は、黒煙を吹いて墜ちていく。 撃墜成功だ。 「『メガセリオン』、スプラッシュバンディット!」 ![]() 余裕で叩き落しているように見えるかもしれないが、これでも実は結構忙しい。数秒お きに、状況に合わせた命令を2機のガンビットに脳波から直に飛ばしているし、敵を艦の火線上に追い詰めるように戦っているのでその辺の調整がなんと も・・・!こうしてこうして・・・こうだ! …よし、成功! 「『ファフニール』、敵機がそちらへ行った!迎撃求む!」 行った(押し付けた)。 |
N.C.24年 3/20日 21:22
日本国 青森県上空 戦略要塞艦『リュウゾウ・オネシロ』 CDC
「敵機、76mm対空砲弾射程に入ります。」 火器管制担当の士官が、こちらを振り返って許可を求めている。 「撃ち方始め。」 シンプルに、号令を発する。 「うちぃかたはじめぇー!」 日防海軍仕込の応答と共に、火器管制士官は射撃システムを解き放つ。 「76mm単装速射砲1番・2番、正常に稼働中。」 遠くから、機械的に拍子を刻む砲撃音が響いてきた。 |
N.C.24年 3/20日 21:23
日本国 青森県上空 戦略要塞艦『リュウゾウ・オネシロ』 上甲板
ズドンズドンズドンズドン…と、リュウゾウ・オネシロの中央船体前部に搭載された76mm速射砲が間断なき砲撃を開始した。寺崎特佐の報告と合わせて考えれば、敵はもう近いようだ 「来るぞ!各機、対空射撃用意!」 と言っても、武器は陸戦用で対空戦闘に用いるには射程がまるで足りず、吾の機体に至ってはレーダーを搭載していない為、連動射撃も出来ない有様だが。 ![]() 早速、二機のTGD-1(テー・ゲー・デー・アヂーン)が寺崎特佐の放ったガンビットUCAVを追って艦を横切るように飛んだ。吾等は目敏く、それに火線を浴びせた。先を飛ぶ方から集中 砲火だ。すると、幸運な一撃が敵のエンジンを食い破ったらしい。火を吹き始めた。それでも、奴は諦めない。フラフラと落下しながらも、この艦の甲板めがけ て降りてくる。 肝の据わった敵だと感心すると同時に、吾にとっては嬉しい話だ。吾の装備する射打撃一体型の簡易式シールドは、射程が極端に短い。故に、敵と肉薄せねば使い物にならんのだ。-つまり- ”ありがたい。” 吾は走る。飛行甲板を、強行不時着してくる敵めがけて。敵機はそれを見て、反動による減速も気にせず機関砲を撃ってきた。 だが、吾を止めるには至らない。 その程度の火線、目を瞑っていても機体に接続された五感で感じ避けられる! 「破ッ!」 気声一発、先ずは25mm単装砲を食らわす。一撃、二撃。甲板へと着地しかけていた相手は突然の攻撃に対応しようとし、接地の重要なタイミングで体の軸を崩して倒れかける。 「奮ッ!」 倒れさせはせん。次の気声で繊細なマニュピレーター(指)を保護する為の打撃兵器として装備された篭手状の爪を、敵の腹に深く抉りこむように打ち込んだ。 機能停止。たったの三発で、相手のF2はその機能を停止した。飛行型F2とマトモにやりあうのはこれが初めてだったが、噂通り相当に脆いようだ。そのまま甲板に寝かせておく。 「さあ、次が来るぞ!」 皆に合流し、次の攻撃に備える。 |
N.C.24年 3/20日 21:24
日本国 青森県上空 TF-1FLS
ひょー、すっげぇ! イチ兄の護衛役で、ナントカっていう特殊部隊の隊長さん、スゲー動きでカッコ良く敵ぶっ潰しちまった!敵が銃撃してもヒョイヒョイ避けててチョーカッコイー!オレもああいう風になりてぇなぁ…。 [チックショウ、叔父貴ばっかり良いカッコしやがって、オレだってあれぐらいできらぁっ!] ガイホウさんがめっちゃ吠えてる。そんなガイホウさんの機体-最新鋭のTF-2C-は、格納庫の配置の都合により一機で左舷上甲板担当。つって も、敵は艦の右舷後方から迫ってきてるし、オレもイチ兄も重点的にカバーしてるから、ヘタするとあそこが一番空気になりかねないんだけどな。 [『ドリュアス』!敵機直上、急降下!] 「しゃらクセェっ」 無線からイチ兄の怒鳴り声。弾かれるように、エンジンを吹かした。相手の予想を遥かに超えた速度で高高度へ上がっていった俺は、そのままループ して逆に相手の後ろ斜め上方を取る事に成功した。あ、因みに、『ドリュアス』はオレのコールサインね。 「おぉぉぉぉぉちぃろぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」 両手のサブマシンガンで弾幕を張って、致命箇所への命中を期待する。…左のエアインテーク(空気吸入口)付近っ、ビンゴ! エンジンが十分に空気を吸えなくなったせいか、一気に速度と高度とバランスがおかしくなった敵機は、フラフラとなんとかリュウゾウ・オネシロの右舷飛行甲板に不時着しようともがいてる。 [よっしゃぁっ!バッチコイ!こっちコイ!もっとコイ!諦めんなよ!もう少しで・・・] …あ、届かなかった。ガイホウさんの応援(?)と本人の健闘も空しく、敵さんは飛行甲板に乗ることが出来ずそのまま地上に落下していく。 [なんで諦めるんだよそこでェッ!あとちょっとだったじゃねぇか!あとちょっとでオレと楽しい殴り合い☆地球だったんだぞ!] [やかましいぞ、『ダイアウルフ』。] […へい。] ジオさんに怒られたら黙りましたとさ、ちゃんちゃん。『ダイアウルフ』がガイホウさんのコールサインかぁ。硬い狼ってことなのかな? ×ダイヤ:Diamondの略、宝石の一種 ◯ダイア:ラテン語Dirus(恐ろしい)の英語版Dire
ダイアウルフ(Direwolf):名:完新生初期頃までのアメリカ大陸に生息していた、イヌ属の最大種。絶滅済 あ、墜落してった半死人はジオさんの特殊部隊の、狙撃担当の人が見事な一撃でトドメ刺しました。 やっぱスナイパーっておっかねぇや。 |
N.C.24年 3/20日 21:30
日本国 青森県上空 TF-1X『イクス』
何をギャーギャー騒いでるんだか…っと仕事仕事。意地でもリュウゾウ・オネシロに食いつこうと頑張る敵に、引導を渡しに行こう。相手の進路に対し、斜めに 横切るように飛んで、交差点で一撃ぶちかます。相手が極力こちらの意図に気付かないように、撹乱代わりに2機のガンビットを付きまとわせ、揺さぶりをかけ たりしてなんとか真っ直ぐ飛ぶ努力に集中させる。 そうした、私の努力が報われる時-即ち、両者の線が交差するときにはもう、相手に逃げ場はない。そもそも全く警戒していない所から私が現れたのだから。 「落ちろ!」 ![]() 相手の眼前を横切るタイミングで、両肩のエンジン噴射を交差させ、斥力場と両腕足の反動で強引に射撃体勢を作って、最後のミサイルを発射する。オマケで、ガンビットの攻撃も付けるサービス精神!ああ、なんて私は優しいのかしら! 3方からの同時攻撃、対応などできる筈もなく、敵は為す術なく撃墜された。あれ、よく見たらあの機体、隊長機?わーい、やった!このキルマークは結構価値大きいんじゃありませんこと?ウフフ。 [ファフニールより各隊へ。敵残存部隊が撤退を開始した。艦の周辺警戒を厳とせよ。] あ、終わった。今ので最後だったか。キッチリ最後まで生き残る指揮官とは優秀な奴だったようで。 [うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?終ったのぉぉぉぉぉぉぉぉ!?] 安堵の溜息や勝鬨の喧騒を押し退け、ガイホウ君の絶叫が通信回線に響き渡る。まぁ、何もせず終わったしね、彼。 [うるさいぞ駄狼。大人しくしていろ。] 尾根白中佐の冷たい一言が刺さる。ガイホウさん以外の歓声やら何やらも一斉に押し黙った。流石の迫力。 […はい。] しょげた犬の返事が聞こえた。パパさん(大島参謀長)、後でフォローしてあげてください。 |
N.C.24年 3/20日 23:00
日本国 青森県上空 戦略要塞艦『リュウゾウ・オネシロ』 特1号室
「ふぃー、つっかれたぁ〜ん。」 お風呂上がりですっかり気が抜けた腑抜けの私は、自分の部屋に戻るなりベッドに豪快にダイブした。 「日本仕様で風呂がある設計というのは実にありがたいな。吾はこの艦が益々気に入った。」 一緒にお風呂入った尾根白中佐もご満悦の御様子で、自分のロッカーに風呂グッズ(小さな手桶と市販のシャンプー・ソープ類)を戻している。 …眼福でした。色々と。もうね、全部、全身隈なくでっかいのがよーっくわかりました。 「あ、わかりますわかります!シャワーだけだと『お風呂』って感じがしないんですよねぇ」 寧ろシャワーだけってのが基本的に耐えられないタイプな私は、米軍式(シャワー室オンリー)だったらどうしようかと気をもんでいたくらいだ。設計したのが日防軍で本当に良かった。 「うむ、そうだな。さてリイチ、疲れただろう。マッサージをしよう。」 「ふぇっ!?」 言うや否や、尾根白中佐はベッドの上でうつ伏せに寝る私の背中に跨った。鋭角からの攻撃!?(意味不明) 「え、ちょ、え!?尾根白中佐!?」 「今は業務時間外だ。リイチは階級を飾りと言うのならば吾のことは”ジオ”で良い。姓で呼び続けられるのは中々に圧迫感があってな。」 言いながら、肩、腕、背、脇腹、腰、足の順にそのゴツゴツした手を滑らせて、凝り具合を手早く調べていく。 「ふむ、先ずは首と肩からだな。」 と同時に首に程良い力で手をかける。ゆっくりと各所の筋肉を解していくジオさんの行動は、マッサージどころか他人に体を触られたことが殆どない私にとっては驚きの連続だった。 「ジ、ジオさん、大丈夫ですよ?私若いし、こう見えても男の子なんですから…くはぁぁ…。」 やんわり遠慮しようとしてるのに、ダメだ気持ち良すぎて声が出る。能ある鷹は爪を隠すと言うけれど、変な爪隠してたなこの人。カリカリの肉球がコリコリして気持ちいいよぅ…。 うぅっ…気持ち良すぎて抵抗出来ない…。 「全身に負荷が見られるな。ふがいのない護衛役で…誠に申し訳ない次第だ。」 なんだか急に語り口が硬くなった。やっぱり、クソ真面目なんだなぁ、この人。 「前回と今回、どっちも空襲ですもんね。ぉふ。寧ろその中でも、地上戦を目敏く見つけてこなしてるジオさんはやっぱり凄いですよ!ぁふ。役割分担って何処でも大事じゃないですか。一人で全部背負っちゃダメです。っんふ。」 「そうか…? …ありがとう、リイチ。」 あちこちジックリと解されて気持ち良すぎる私は、喋る合間合間に奇声を挟むという変な有様になっていた。 それでも、私の言いたい事と気持ちは伝わったらしく、重苦しい雰囲気は幾分か和らいだのが救いかな。 ・ ・ ・ な ん だ こ の 状 況 !? |
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